当院では太子町・たつの市が推奨している【胃がん検診】を行っております。
胃カメラでの【胃がん検診】を予約の際は一度当院にご連絡下さい。
ここでは太子町・たつの市主導で推奨している【けんしん】を含めて、
とし内科で行っている【けんしん】を解説していきます。
1.【けんしん】の中の『健診』と『検診』の違い?
皆様は【けんしん】とはどういうものかご存知でしょうか?
簡単に記載しますと、、、
『検診』は、、、
特定の病気に罹患していないかどうかを検査するためのものです。
がん検診が代表で、ある病気にだけに焦点をあてて早期発見・治療を目的とする検査です。
『健診』は、、、
これはいわゆる健康診断のことをいいます。
自分自身の健康状態を知り、病気の予防を目的とした検査です。
2-1. 太子町・たつの市で受けることのできる【けんしん】
太子町、たつの市では「太子町総合健診」において、特定健診と胃がん検診を受けていただくことができます。
太子町総合健診には「特定健診」と「がん検診」の2種類があります。
特定健診
基本項目
【内容】
身体計測、尿検査、血圧測定、血液検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール、空腹時血糖または随時血糖もしくはHbA1c、AST(GOT)、AST(GPT)、γ‐GT(γ‐GTP))
【対象】
20歳以上の人(令和5年3月31日時点)
*注意!
この健診を受けれるのは年齢の制限とどの地区に住民票があるか、『保険証』を誰から受け取っているかによって特定健診を受けれるかどうかが決まります。一度勤務先や『保険証』を発行している機関に問い合わせをお願いします。それでもわからない場合は一度とし内科(079-277-1005)までお問い合わせください。
わかりやすい解説
基本項目では主に身長、体重など生活習慣が直結するかつ検査に痛みを伴わないものと採血検査にて悪玉、善玉コレステロールの割合をみたり、糖尿病予備軍などにひっかかっていないか、肝臓は元気に動いているかなどを見て行きます。
詳細項目
【内容】
貧血検査、心電図検査、眼底検査、血清クレアチニン検査(eGFR)
【対象】
基本項目を受診した人のうち、当該年度の健診結果等で、血圧・血液検査において一定の基準に該当し、医師が必要と判断した人
わかりやすい解説
基本項目の中に問診などが入っており、こちらを確認させて頂きます。あるいは血圧の数値もみております。その中で追加検査としてこちらの項目を調べた方がいいと判断される方のみこれらの検査を行っていきます。主に、貧血(赤血球の濃さ)、心電図(心臓の筋肉の動き)、腎臓の機能などがこれにあたります。(当院では眼底検査を行っておりません。)
がん検診
- 肺がん検診(胸部総合検診)
- 胸のレントゲン検査です。
- 胃がん検診
- バリウム検査や胃カメラを行います。当院では胃カメラを推奨しています。
胃カメラ検査について - 胃がんリスク検診
- ピロリ菌が胃粘膜に存在するか、炎症を起こしているかを採血検査のみで見ることができる検査です。
- 大腸がん検診
- 便の中に血液がまざっていないかを見る検査です。
この検査が陽性の際は大腸カメラでの追加検査が必須になります。
大腸カメラ検査について - 前立腺がん検診
- 採血検査にてPSAという前立腺に特化した腫瘍マーカーをみます。
- 乳がん検診、子宮がん検診
- 当院では行っていませんが、婦人科の病気もがんのケアがされています。
2-2 とし内科で受けることが出来る【けんしん】
下記の内容の【けんしん】を受けることができます。
太子町総合健診(個別検診)
- 『特定健診(基本健診)』
- 『がん検診』
上記太子町・たつの市主導で行っている【けんしん】になります。
先ほどの記載にもありますが、眼底検査と乳がん健診、子宮がん検診以外は当院でまかなえますので、よろしければご検討ください。
こちらは自費診療での【けんしん】の中で、健康診断にあたるものです。
健康診断
- 企業主導型健康診断
- 個別健康診断
3.太子町・たつの市の胃がん検診
太子町・たつの市で受けることのできる胃がん検診は下記の通りです。
検査内容 | 対象者 | 費用 |
---|---|---|
胃透視検査 ※当院では行っていません |
40歳以上 | 74歳以下:4,100円 75歳以上:1,400円 |
胃カメラ検査 ※当院での推奨はこちら |
40歳以上 | 74歳以下:4,700円 75歳以上:1,600円 |
胃がんリスク検診 (ABC検診) *血液検査 (ピロリ抗体+ペプシノゲン) |
30~39歳 ※過去に検査を受けたことのない方のみ |
1,000円 |
4.胃がん検診の特徴
太子町、たつの市の胃がん検診(胃カメラ検査)の特徴は次の通りです。
保険診療での胃カメラ検査とは違い、ある程度の制約があります。
特徴① 鎮静剤は原則使用できません
胃がん検診では、原則鎮静剤を使用せず経口からの胃カメラ検査になります。
当院ではご希望に応じて鎮静剤は使用可能ではありますが、自費負担となりますので予めご了承ください。
特徴② ピロリ菌検査は原則で合わせてはできません
ピロリ菌検査は胃がんリスク検診に合わせられます。
しかし、胃カメラの結果に応じて医師が必要と判断した際には保険診療にて行うこともあります。
特徴③ 経鼻内視鏡検査対応ができます
ご希望に応じて鼻からの胃カメラ検査もできます。お気軽にご相談ください。
5.胃がん検診(胃カメラ検査)の流れ
- STEP1外来で検査の予約
- 胃がん検診(胃カメラ検査)を受けるにあたり、事前診察が必要となります。
まずは外来予約を取っていただき、クリニックにお越しいただいた後に詳しいご案内をさせていただきます。
- STEP2外来で検査の予約
- 胃がん検診(胃カメラ検査)を受けるにあたり、事前診察が必要となります。
まずは外来予約を取っていただき、クリニックにお越しいただいた後に詳しいご案内をさせていただきます。 - 外来診療WEB予約はこちらから
- STEP3診察
- ご予約日に来院していただき、事前診察を受けてもらいます。
その際に胃カメラ検査日を決定します。
- STEP4検査
- 検査日に来院し、胃カメラ検査を受けていただきます。
検査にあたりご不明点やご質問がありましたら、お気軽にクリニックまでお問い合わせください。
これまでの流れでわからないことがありましたら、太子町のホームページにも詳細は載っています。
特定検診は受けれる方の制限や『特定健診受診券』が必要になります。
太子町さわやか健康課(079-276-6630)や町民課(079-277-1012)にご連絡が必要になることもありますので何卒御了承をよろしくお願いいたします。
6.奥深い【けんしん】あれやこれや
さて、ここからは院長 田中の雑談です。
【けんしん】の中に健康診断と検診があるのがここまで読んで頂いた方はわかったと思いますが、いろんな【けんしん】があるというのもわかったと思います。
なぜ、市町村が【けんしん】の中でも特定健診とがん検診にだけ費用負担をし、人間ドックは自費で全額自己負担となることが多いか? ここまで興味をもたれる方は少数でしょう。
これには深い訳があるのです。。。
あきらかに雑談になりますので、ここからは興味のある方のみお付き合いください。
皆様は【けんしん】とは今までどのような理解でいらっしゃいましたか?
先ほど、健康診断と検診の違いは解説させて頂きました。
『検診』は、、、
特定の病気に罹患していないかどうかを検査するためのものです。
がん検診が代表で、ある病気にだけに焦点をあてて早期発見・治療を目的とする検査です。
『健診』は、、、
これはいわゆる健康診断のことをいいます。
自分自身の健康状態を知り、病気の予防を目的とした検査です。
でしたね。
『健診』
『がん検診』
両方とも「けんしん」です。
一つ目は意地悪して略語を使っています。
本当は『健康診断』といいます。
健康診断は「これから何をしとけば病気にならなさそうなの!?検査」です。
文字通り、ご自身が病気になる可能性がどのくらいか、何を注意すれば健康でいられるかをわかるようにする意図の検査達ですね。
就職などすると仕事を始めるまでに自分が健康な状態であるかを把握しないと仕事させてくれないという決まりがある会社もあります。
医者としては大きく異常があった際にその方がいわゆるドクターストップ状態でないかを判断していかないといけません。
また、軽い異常であっても企業の社長さんとしてはこのまま働かせても大丈夫ですか?太鼓判おしといてね。という確認作業の意味合いもあります。
要するに心筋梗塞や脳梗塞などの病気になっちゃう度を皆さんしっておきましょうね。ってことです。
次はがん検診です。
がんって何かご存知ですか?
あくまで病気の大きなくくりの一つです。
細かい種類は無限大とは言いませんが、かなりいっぱいあるんです。
見つかった際には手術で切り取ったり、薬を使用して病気の進行を抑える、もしくは治していくといった方法がとられます。
これらの治療は数日で終わりません。命にかかわります。
がんのかなりの詳細はこの記事では省いていきますが、実際になった方の体験談やがんの治療を行っている先生の本が沢山世の中にはでていますね。誰が書いた本であれ、いつも勉強させて頂いております。
ただ、医療従事者が書いてある本がいいとも限らず。。。
皆様の関心事はここに集中しているといっても過言ではないですよね。
がん検診は「このがんは私の体の中にないですよね!?検査」です。
この検査はがんが体の中にないことを確認して安心するための検査ではあるんですが、視野によって少しずつ意味合いが変わってきます。
少し違う話を次はしていきます。日本の自費診療についてです。
日本の自費診療
保険証を使うと、日本の医療行為は皆様3割の値段で受けることができます。
しかし、これは国の基準内で決められた医療行為のみそれが適応されます。
自費で医療行為の全ての値段分払わないといけないのがこれからはずれたものです。
ちなみに症状がないとかなりの確率でこの、全額負担の自費診療にあたります。
自費診療にはいろいろあって、国の保険制度にて支払われない医療(顔の整形や点滴バーなどです)や人間ドックもこれに含まれています。
皆さん、
医者が治療や研究等をなぜ行っていると思いますか?
「そんなの人の病気を治すために決まってるだろ!読者をバカにするな!」
「困っているひとを助けたいからじゃないの?それ以外の医者とかサイテー。」
「モテたいから医者になったんでしょ?結果モテてないやんw」
色んな罵倒が飛び交う中、私はアマゾンの奥地に進んでいった。
そこで見たものとは、、、
「すべての医者は地球上全ての人類の予後を伸ばすか、
生活の質をあげるために日々治療や研究をしている」
ということなんです。
あ。もちろん個人差はありますよ。
そしてアマゾンにも行ってません。
少し脱線しましたかね。
さて、【けんしん】の話に戻しますよ。
自費診療の話をふまえて、この二つはご存知でしょうか?
対策型検診と任意型検診です。
はい、僕もよくわかりません。
いやいや、わかりますよ。ピンとこないってことです。
対策型検診
がん検診はこの『人類の予後を伸ばすか、生活の質をあげる』という目的のため、特に予後を伸ばすという目的を達成するためにあります。
がんで死ぬ人を減らす、がんへの対策として検査を行う。
がんへの対策、対策型検診ですね。
任意型検診
これについては少し辛口になってしまいます。
要するに、『お金を払って安心(?)を買う』ことです。
急にポエムな感じですみません。
もう少しオブラートに包むと、全額自腹で払う医療ビジネスの一環です。
『ビジネス』です。
自分の好みや目的に合わせてどんながんが身体にないか確認する検査の一つです。
で、ここでこういう声をかけていきます。
『お金を払って不健康になっていませんか?』
がん検診のうち、任意型検診というのはお金を払って、私の体の中にがんはありませんよね?と確認するための検査だということがご理解いただければ大きく語弊はありません。
なぜ、お金を払って不健康になっていないか?と声をかけたかというと、検査をするからにはやっぱり結果ががんがあるかもしれませんよ!という結果で帰ってくることがあるんですよね。
例えば、身体に大きながんがあると数値があがる腫瘍マーカーという検査があります。
この検査!なんと身体にがんが『なくても』検査結果が『あります』になることがあるんです!
さらにいうと!
身体にがんが『あっても』検査が『ないです』になることがあるんです!
おわかりいただけただろうか?
まぁ、大多数の血液検査でこの二つの文章は当てはまることが多いんですけどね。
例えば腫瘍マーカーでよく計測されるCEA(シーイーエー)という項目に関して説明させて頂きます。
この腫瘍マーカーは胃がんなど数々種類の腫瘍があれば上昇していることがあります。
でもですね、タバコを吸うだけでも上昇するとされています。
さて、少し話を戻しますと身体にがんがあっても検査が陰性になることがあるんです!と言いました。胃がんがあると分かった人でも、上昇していることがあるといいました。
~であることがある。です。
腫瘍マーカーは身体の中にある程度の大きさにならないと数値があがりません。
もっというと大きくても上がらない数値もあります。
検診で重要なことは、体の中にがんがないかを確かめる。ことでしたよね?
腫瘍マーカー、陰性であってもがんがあるかもしれないのです。
欲しい検査結果は、
『腫瘍マーカー陰性です』ではなくて、
『身体にがんはありませんでしたよ。安心なさってください。』
ですよね。
もし、『安心なさってください。』という言葉が欲しい方はこの任意型検診をうけることはおススメしません。
ですので、任意型検診では『お金を払って安心(?)を買う』と最後に(?)がつきます。
対策型検診は、あるがんに対しての検査
任意型検診は、安心(?)を買う
です。
さて、どちらにお金をだして買いますか?
対策型検診ですよね。
少しエビデンスの話もしたいのですが、これを話すと長くなりますので割愛します。
がん検診(対策型検診)に力を入れている病院は現時点で統計学的に死亡率を下げる項目が使用されています。
もう一度下記に示しますね。
- 肺がん検診(胸部総合検診)
- 胸のレントゲン検査です。
- 胃がん検診
- バリウム検査や胃カメラを行います。当院では胃カメラを推奨しています。
胃カメラ検査について - 胃がんリスク検診
- ピロリ菌が胃粘膜に存在するか、炎症を起こしているかを採血検査のみで見ることができる検査です。
- 大腸がん検診
- 便の中に血液がまざっていないかを見る検査です。
この検査が陽性の際は大腸カメラでの追加検査が必須になります。
大腸カメラ検査について - 前立腺がん検診
- 採血検査にてPSAという前立腺に特化した腫瘍マーカーをみます。
- 乳がん検診、子宮がん検診
- 当院では行っていませんが、婦人科の病気もがんのケアがされています。
対して任意型検診に力をいれている病院は患者さん個人個人に合わせたニーズをくみ取った検査を行っているということになります。
患者さんの安心のためには必要な医療かもしれません。
こちらは完全に『医療ビジネス』となります。
~であることがある。という結果を聞きたいかどうか?
ひとつ言えるのは、闇雲に買うのはよしましょう。
病気がないのに追加検査!
病気がないのに手術、治療!
となる可能性があることを覚えていてくださいね。
【けんしん】については思うこともあり、こちらに記載させて頂きました。
散文で申し訳ありませんでした。
ここまで読まれた方皆様に感謝を申し上げます。