胃バリウム検査でひっかかり不安な方はいませんか?
1.胃バリウム検査とは
胃バリウム検査とは、発泡剤(炭酸)で胃を膨らませ、バリウム(造影剤)を飲んでX線(レントゲン)を連続的に照射しながら撮影する検査です。
胃バリウム検査の目的は、胃・食道・十二指腸のがん疾患のほか、胃潰瘍や胃炎、ポリープなどを早期発見することです。
2.陽性のまま放置したらどうなる?
バリウム検査で引っかかってしまい「異常あり・要精密検査」になったとき、病院に行く時間がなくいつの間にかそのままになってしまっている方はおられます。
しかし、バリウム検査で異常が見つかった場合、放置することはおすすめできません。
バリウム検査は全体的な胃の形、粘膜の凹凸がよくわかる検査です。バリウム検査で発見された凹凸は、胃潰瘍や早期胃がんの兆候であることが多く、そのまま放置すると病状が進行し、治療が困難になることがあります。
定期的な検査と早期の対応が、病気の進行を防ぐ鍵です。もしバリウム検査で「異常あり・要精密検査」になった方は、手遅れになる前に必ず二次検査を受けるようにしましょう。少しの手間が、あなたの健康を守るための大切な一歩となります。
2-1.胃バリウム検査で異常があった方が疑われる病気
◎胃ポリープ
ポリープは一般的には良性ですが、一部は時間が経つと悪性化(がん化)する可能性があります。
早期に除去すれば簡単な手術で済む場合が多いですが、放置すると大きくなり、手術が複雑になることがあります。
◎胃潰瘍
潰瘍は胃や腸の内壁に傷ができた状態です。放置すると出血や穿孔(穴が開く)などの深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
また、潰瘍が慢性化すると治りにくくなり、痛みや不快感が長引くことがあります。
◎胃がん
早期発見されたがんは治療が効きやすく、治療後も良好なことが多いです。
しかし、放置するとがんは進行し、治療が難しくなるだけでなく、他の臓器に転移するリスクも高まります。
異常が見つかった場合は、医師と相談して適切な追加検査や治療を受けることが重要です。放置することは症状の悪化や治療の難易度を上げるリスクがあるため、必ず医師の指示に従い、適切な対応を取るようにしましょう。
3.二次検査はどんな検査?
バリウム検査で異常が見つかった後、一般的には胃カメラ検査が行われます。
胃カメラ検査は、鼻や口から「内視鏡」という細いカメラを挿入し、胃や食道、十二指腸の内部を直接観察するための検査です。胃カメラ検査とバリウム検表と写真で比較しながらご説明します。
3-1. 胃カメラ検査とバリウム検査の違い
メリット | デメリット | |
---|---|---|
胃バリウム検査 | ・胃全体の形、凹凸が分かる | ・検査精度にむらがある ・バリウムを飲まなければいけない |
胃カメラ検査 | ・小さな病変も発見できる ・気になった部位の組織採取が可能 ・胃粘膜の凹凸・形状・色まで確認できる |
・費用がかかる ・嘔吐反射(おえっとなる現象)、カメラ挿入時の違和感を感じる可能性がある →鼻から挿入する胃カメラ検査で緩和できます。 →鎮静剤を使用し、眠った状態で検査を受けられます。 |
3-2. 見え方の違い
出典:一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
この画像からも分かるように胃バリウム検査は、胃全体の形や凹凸の変異に気づくことはできますが、精密には分かりません。
そのため、バリウム検査で引っかかった場合は二次検査として胃カメラ検査を受診し、変異の原因を調べる必要があります。
4.胃カメラ検査ってつらくない?
胃カメラ検査に抵抗感を感じておられる患者さまは多いです。しかし当クリニックでは少しでも快適に胃カメラ検査を受けられるようさまざまな工夫をしておりますので、ご安心ください。
5.おわりに
胃バリウム検査で異常が見つかると、不安になるかもしれませんが、これは見逃してはいけない重要なサインです。
胃バリウム検査は胃カメラより精度が低いため、それでも異常が発見された場合は、かなり注意が必要です。(胃カメラ検査と比較すると1000分の1の精度です)早期に胃がんを発見できれば、手術をしなくても胃カメラを使った治療で完治できることが多いです。
もしバリウム検査で陽性が出た場合は、迷わずに胃カメラ検査を受けることをおすすめします。
ご不安なことがあれば、どうぞお気軽に当クリニックまでご相談ください。