『おなかがゆるい』
『がまんできないくらい便がでてしまう』
突然にやってくる嵐のごとく、、、
お腹の急激な不調はかなり生活の質を落としますよね。
下痢の中にも様子をみてもいいものもありますし、なかなか見過ごせない病気のこともありますので、これらが少しでも判断できるようにこのページで解説します。
ただ一つ注意点があります。
全てのネット記事に言えることですが、
『あなた』に起こった『その時』の『下痢』を解説しているページは存在しません。
このページで解説するのは『下痢』ではありますが、
『あなたに起こった下痢』が何かを解説しているわけではありません。
一般論として『下痢』の中にはどんなものがあるかを解説していきますので、すべてを自分にあてはめて焦らないようにお願いしますね。
また散文になってしまうかもしれませんが、一度読んで頂いて、気になることがありましたら、とし内科まで受診くださいね。
1.下痢とは一体何か?
さて、いきなりですがクイズです。
健康的な便と言われているバナナの形をした便の中には
水分がどれだけ含まれているでしょうか?
60%~70%
と言われています。
大体合格と言われている便の中の水分のバランスが崩れた際、含まれている水分の量が多くなってしまった時に下痢になってしまうのです。
目安にはなりますが、水分が80-90%の状態が『ドロドロの便』になります。
軟便という下痢ですね。
水分が90%を超えると『シャーシャーの便』で、水様性下痢という状態になります。
これらは総じて『下痢』の状態になり、いずれも水分が直腸に多く供給されている状態になります。
下痢ってですね、人によっては「よくあること」で済ましてしまうことも多いのです。
軽視される方もいらっしゃるかもしれませんが、色々な病気になっている可能性もあります。
ですので下痢症状があった際は一度こちらの記事を読んでからでも構いませんので、専門の医療機関を受診することをおススメ致します。
とし内科では下痢症状を専門に診る「消化器専門外来」を用意しております。
まずはお気軽にご相談ください。
2.下痢の注意すべきサインはこれです!
下痢が起こってしまった!
トイレに行かなければ!
病院よりも確実にトイレに行く方が重要なのですが(行かなければ大変なことになってしまいますもんね。)、そのトイレに行ったことを深堀していくことが結構大事なのです。
- ●トイレに1日で何回行ったか?
- ●その回数行っているのは何日間継続しているか?
- ●または、月に何回そうような症状になってしますか?
回数と頻度は下痢をひもといて行くうえで大変重要です。
2-1.下痢の回数は?一緒にある症状は何?
回数と一緒にある症状によって、病院に受診した方がいいかは決まるところもあります。
例えば、、、
1日に5回以上トイレに行くようになった。しかもそれは、今日の朝から急にである。
高頻度に激しい下痢を生じている時。
しかも嘔吐まである。
これですね。
何度も何度も下痢をしていて、おさまらない様でしたら一度消化器内科に受診ください。
ここで大事なのが、実は受診することではなくてある程度の塩分と大量の水分摂取が重要になってきます。嘔吐が一緒にありますと、この2つを行うことができないこともあります。こんな時にはすぐに受診してください。点滴が必要になるかもしれません。
この記事を読むのをやめて、できれば早めに受診してください。
血便や下血を伴う
できるだけ早めに検査をお願いしたいです。
これは「血便・下血」のページをみていただきたいのですが、見過ごせない病気がよくある症状でありますので一度受診をお願いしますね。
2-2.あなたの下痢の状態をひもといたら、このような状態にあてはまりませんか?
さきほどの様な劇的な症状でないにしろ、大なり小なり下痢の状態になっていることがあります。意外と様子見を10年以上してきたが、ようやく一度検査をしたいと言って来られる方も少なくありません。
たとえば下記のようなことですね。
- ●下痢症状が1日に数回引き起こされる
- ●慢性的な下痢症状
- ●便秘と下痢を繰り返している
- ●軽い嘔吐症状を伴う
- ●鈍い腹痛症状を伴う
いずれも我慢できるし、そこまで生活の質を落とさないか、ご自身で調整すればなんとかなるレベルのものです。
下痢と言いましても、単なる排便がすこーしうまくいっていないだけという認識ですね。
不便を感じなければ大丈夫であるということではありません。
こちらの症状は様子をみていいですよ!と僕が胸を張って言えるのは、一度きちんと検査を受けた方のみです。大丈夫!の太鼓判を押すために一度検査を検討されてはいかがでしょうか?
3.下痢の原因はじつは、、、
3-1. 食べ物のせい?
下痢を引き起こす原因は主に次のようなものがあります。
- ●食べ過ぎや飲み過ぎ
- ●香辛料など刺激物の摂取し過ぎ
- ●ストレスが加わることによるもの
- ●細菌やウイルスによるもの
- ●服用薬などの副作用
ん?おわかりいただけただろうか?
これ、ほとんど口(くち)から入っているものなんです。
ストレスは口からは入ってきませんが、いわゆる腸の拒絶反応ですね。
腸が対応できる油分やアルコールの量は人によって違います。
豚骨ラーメンで大丈夫な人もいれば、揚げ物少しで下痢をしてしまう腸をお持ちの方もいます。
それぞれの腸にとって大丈夫な環境、食事を心がけていきましょうね。
3-2. 病気のせい?
口からはいってくるのはほとんど食材や薬剤によるものが多いのですが、それを総じて言うと下記になります。
◎感染症腸炎・食中毒
ウイルスや細菌が原因となって発症するものです。
激しい下痢に加えて、腹痛や発熱、嘔吐などを伴う場合が多い疾患です。
さて、下痢を起こす病気ですが、これも色々あります。特に頻度が多い物をあげますね。
◎潰瘍性大腸炎
大腸の粘膜が炎症し潰瘍が発生する疾患で、発症原因は未だに解明されておりません。
激しい腹痛と慢性的な下痢症状のみならず、血便や発熱などの症状も伴います。
◎クローン病
主に小腸と大腸の粘膜に障害をきたす病気で、原因は自己免疫とも言われています。
少量の食事であっても下痢を来たし、小腸の粘膜の傷み方によっては栄養失調につながってしまう病気です。下痢の際には改善に乏しい腹痛を伴うこともあり、精密検査が必要になります。
◎大腸がん・大腸ポリープ
大腸がんとは、腸内部の粘膜に発生するがんで、初期症状はほとんど自覚がなく、進行してくると、血便や下痢、腹痛、便の狭小化(細くなる)などの症状が出てくるようになります。逆にひどい便秘になることもあります。
大腸がんは、大腸にできたポリープががん化することで発症すると言われております。定期的な大腸カメラ検査をおススメしています。
これらの中で大腸癌につきましてはポリープを切除していれば予防できる病気でもあります。
大腸カメラを受けたことがなければ早急に検査をしてもいいかもしれませんね。
4.下痢の原因を調べる方法と検査、あれやこれ
4-1. 大腸カメラ検査
下痢症状が出たら、診察と問診を行っていきます。
検査が必要と判断された際には大腸カメラ検査をご提案させていただきます。
当院では眠ったまま実施できる大腸カメラ検査が可能です。
4-2. 便培養検査
便培養検査は便の中に本来いるべきではない細菌や虫がいないかを調べることができます。食品を扱っている仕事をされている方はご存知でしょうか。
長く続く下痢も病気というより感染症のことも多くあり、こちらの検査もおススメですね。
4-3. 採血検査
採血検査では下痢につながりうる全身の病気を調べることができます。
これらの検査は大腸カメラを行う日に一通り調べることもできますので、症状と検査が妥当でしたらこちらから提案させて頂きますね。
5.下痢がおこったら、こうしてください。
まずはトイレに行きましょう。
いや当たり前なんですが、ひとまずはトイレの回数を大体で覚えていてください。
トイレットペーパーについた色を見てもいいですよ!
診断にすごくヒントになります。
で、最も重要なことが水分摂取を徹底的に。
水分が摂れないようなら、即受診です。
下痢症状は放置すると、症状の悪化や疾患を引き起こす可能性もあります。
とし内科では下痢で苦しんでいる方、お悩みの方を対象に消化器専門外来を実施しております。症状を感じたら、お気軽に専門医にご相談ください。