目次
脂肪肝と診断された方へ:ご家族の方に知ってほしいこと
想定される家族の不安・疑問
- 「肝臓って“沈黙の臓器”って聞いたけど、症状がないのに本当に病気なの?」
- 「放っておいたらどんな危険があるの?」
- 「家でどんな工夫をすればいいの?」
脂肪肝は、日常生活の中で少しずつ進行していく病気です。元気そうに見えても油断はできません。家族が理解し、寄り添うことで大きな支えとなります。
脂肪肝とは?
肝臓に余分な脂肪がたまっている状態を「脂肪肝」と呼びます。
日本では成人の約3人に1人が脂肪肝といわれ、珍しい病気ではありません。
多くは無症状ですが、進行するとNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)→肝硬変→肝がんへと進むこともあり、決して軽視できない病気です。
「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、症状が出にくいぶん、気づいたときには進行していることもあるため、早めの対応が大切です。
進行を防ぐための生活習慣
脂肪肝の改善に特効薬はなく、生活習慣の見直しが治療の中心です。
食事の工夫
- 炭水化物や脂っこいものを減らし、野菜や魚を意識して取り入れる
- 間食や夜食を控える
- 甘いジュースや清涼飲料水を避ける
お酒
- アルコールが原因の脂肪肝も多く、禁酒・節酒はとても重要です
運動
- 激しい運動でなくても構いません
- 毎日のウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなど、続けられることが一番のポイントです
薬物治療と生活改善の重要性
脂肪肝の基本治療は「体重減少」。体重の5〜10%を落とすだけでも肝機能が改善するといわれています。
薬で一時的に数値を下げることはできても、生活習慣を改善しない限り再び悪化する可能性があります。
「症状がないから大丈夫」と思っていると治療が続かないことも多いため、家族の声かけや応援がとても大切になります。
*とし先生からのワンポイント*
脂肪肝がよくなっているのを目で確認したかったら、腹部エコーの検査がおススメです!
定期的に肝臓の脂肪がへっているのを確認できますよ。
家族ができるサポート例
ご本人だけで頑張るのは大変です。家族が日常の中でできる工夫を取り入れてみましょう。
- 一緒に健康的なメニューを考えて作る
- お菓子やお酒など、つい手が伸びる「買い置き」を減らす
- 「今日は一緒に歩こう」と声をかけてウォーキングを習慣にする
- 検査や診察に付き添い、先生の説明を一緒に聞いて理解を深める
小さな行動でも「家族が応援してくれている」と感じることで、ご本人のやる気がぐっと高まります。
よくあるご質問(Q&A)
Q. 本人は元気そうだけど、本当に危ないの?
A. はい。脂肪肝は症状が出にくいのが特徴です。放置すると肝硬変や肝がんのリスクが上がるため、元気なうちからの対策が重要です。
Q. 家族も脂肪肝になりやすい?
A. 生活習慣や食習慣が似ている家族は、一緒にリスクを抱えていることが多いです。家族全員で食生活を見直すことは、みんなの健康につながります。
最後に
脂肪肝は“生活習慣病”のひとつであり、生活を整えることで十分改善できる病気です。
本人の努力はもちろんですが、家族の支えが治療継続の大きな原動力になります。
「一緒に健康になろう」「未来のために頑張ろう」――そんな前向きな気持ちを、ぜひご家庭で共有してください。











